【廃番モデル図鑑】GMTマスター Ref.1675——なぜ今、二本針のGMTが見直されているのか

Ref.1675とは——初代「GMTマスター」
Ref.1675は、1959年から1980年頃まで製造されていたロレックスの初代GMTマスターです。1954年に登場したRef.6542の後継として生まれ、パンアメリカン航空のパイロット向けに開発された「同時に2つのタイムゾーンを読む」という発想は、この世代からほぼ変わらずに現行モデルへ受け継がれています。
赤と青の2色ベゼル、通称「ペプシ」もこのRef.1675の時代に定着したデザインです。製造期間が20年以上と長いため、初期のモデルと後期のモデルでは文字盤の質感やケースの仕上げ、風防(アクリル風防かサファイアクリスタルか)などに世代差があります。
現行GMT-Master IIとの決定的な違い
一番の違いは、24時間針の動き方です。
- Ref.1675(初代):24時間針は通常の時針と連動して動く「二本針」の仕組み。24時間針とベゼルを組み合わせて、回転ベゼルを回すことで第2のタイムゾーンを読み取ります。
- 現行GMT-Master II:24時間針が独立して単独で動かせる「独立回転24時間針」を搭載。ベゼルを回さずに、針を動かすだけで第3のタイムゾーンまで同時に把握できます。
つまりRef.1675は、厳密には「GMT機能」というより「12時間表示+回転ベゼルによる第2都市表示」の仕組みで、現行機とは設計思想そのものが異なります。ケース径も現行の40mmクラスに対し、Ref.1675はおおむね38〜40mm程度で、時代なりの防水性能・耐磁性能にとどまる点も踏まえておく必要があります。
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Ref.1675は製造期間が長いため、個体差によって評価が大きく分かれる傾向にあります。特に「ペプシ」の赤青ベゼルは経年で退色が進みやすく、退色具合そのものが個性として評価される一方、状態の良し悪しで査定額の振れ幅が大きいモデルでもあります。近年はヴィンテージロレックス全体への関心の高まりとともに、状態の良い個体・希少な文字盤バリエーションへの評価が底堅くなっている傾向が見られます。
【持っている人へ】ご家族から譲り受けた・古いGMTマスターをお持ちの場合
「実家に古いロレックスがある」というご家庭で、GMTマスターのRef.1675が眠っているケースは珍しくありません。ベゼルの色や文字盤の状態、付属品(保証書・箱)の有無によって評価は大きく変わるため、複数の買取窓口で見積りを比較してから判断することをおすすめします。
【探している人へ】中古で選ぶときに必ず見ておきたい3点
- ベゼルの状態:退色が「味」として評価される一方、欠けや変形は別問題です。実物で確認しましょう。
- 文字盤のリダン(再塗装):オリジナルの文字盤かどうかで評価が大きく変わります。年代に対して文字盤が綺麗すぎる場合は要確認です。
- 社外パーツの有無:風防・リューズ・ブレスレットが後年の社外品に交換されていないか、信頼できる店舗で確認することをおすすめします。
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Ref.1675は「GMTマスターという名前の原点」でありながら、現行機とは仕組みが異なる独立した魅力を持つモデルです。実用時計として長く付き合うにも、資産として見極めるにも、まずは状態を正しく把握することが第一歩になります。
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