ロレックス GMTマスター 1675とは|初期・後期の見分け方とペプシ退色・相場
情報の確認日:2026年10月13日

Ref.1675とは——初代「GMTマスター」
Ref.1675は、1959年から1980年頃まで製造されていたロレックスのGMTマスターです。1955年に登場したRef.6542の後継として生まれ、パンアメリカン航空のパイロット向けに開発された「同時に2つのタイムゾーンを読む」という発想は、この世代からほぼ変わらずに現行モデルへ受け継がれています。
赤と青の2色ベゼル、通称「ペプシ」がこのRef.1675の時代に定着したデザインですが、赤青だけでなく黒の1色ベゼルを採用した個体も存在します。製造期間が20年以上と長いため、初期のモデルと後期のモデルでは文字盤の質感やインデックスの作り、リューズガードの形などに世代差があります。風防は全製造期間を通じてアクリル(プラスチック)風防で、サファイアクリスタルの採用はもっと後の世代からです。
ケース径は40mm。現行のGMTマスターIIと同じ40mmなので、手首に載せたときの大きさの印象は今のモデルとそれほど変わりません。

前身のRef.6542から何が変わったのか
Ref.1675の特徴は、前のモデルと並べるとよく分かります。当サイトが型番ごとに裏取りしている仕様メモ(複数の専門店・海外の時計専門誌の資料を照合したもの)から、変化点を表にまとめました。
| 項目 | Ref.6542(1955年〜) | Ref.1675(1959年〜1980年頃) |
|---|---|---|
| ベゼルの素材 | ベークライト(初期の樹脂素材) | 金属製のベゼルに赤青・黒のインサート |
| リューズガード | なし | Ref.1675で初めて追加 |
| 24時間針 | 先端が小さい(通称ミニ針) | 先端が大型化 |
| 風防 | アクリル | アクリル(全期間) |
ベークライトのベゼルは割れやすく、そこから金属ベゼルへ移ったことで、日常使いの丈夫さが大きく上がりました。リューズガードの追加もこの世代からで、「リューズの両脇が張り出したGMT」という今に続く顔つきは、Ref.1675で完成したと言えます。
なお、搭載ムーブメントについては、資料によって「Cal.1560/1570」とするものと「Cal.1575」とするものがあり、当サイトの照合では一致しませんでした。ここでは断定せず、正式な仕様書で確認できたら追記します。
現行GMT-Master IIとの決定的な違い
一番の違いは、針の動かし方です。
- Ref.1675(初代):24時間針は通常の時針と連動して動きます。24時間針とベゼルを組み合わせ、回転ベゼルを回すことで第2のタイムゾーンを読み取ります。
- 現行GMT-Master II:時針だけを1時間刻みで単独で動かせる仕組みを搭載。24時間針は元の時刻(ホームタイム)を指したまま、現地時刻に時針を合わせられます。さらにベゼルを回せば、3つ目のタイムゾーンまで同時に読めます。
つまりRef.1675は「24時間針+回転ベゼルで2つ目の時刻を読む」という、GMTの原型そのものの仕組みです。時差のある場所へ移動したときに、時針を単独で動かせない分、操作は現行機より一手間かかります。防水性能や耐磁性能も、製造から40年以上経った時計であることを前提に考える必要があります。
| 比較項目 | Ref.1675 | 現行 Ref.126710BLNR |
|---|---|---|
| 製造年 | 1959年〜1980年頃 | 2019年〜現行 |
| ケース径 | 40mm | 40mm |
| 風防 | アクリル | サファイアクリスタル |
| 時差の合わせ方 | ベゼルを回して読む | 時針を単独で動かせる |
| 読めるタイムゾーン | 2つ | 3つ |
| ベゼル | 金属ベゼル+インサート | セラクロム(セラミック) |
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Ref.1675は製造期間が長いため、個体差によって評価が大きく分かれるモデルです。特に「ペプシ」の赤青ベゼルは経年で退色が進みやすく、退色具合そのものが個性として評価される一方、状態の良し悪しで査定額の振れ幅が大きいモデルでもあります。
当サイトが定期的に集計している買取相場データでは、Ref.1675の買取の目安は**約280万〜310万円(中央値約295万円)**でした(2026年9月23日時点)。9月13日から9月23日までの5回の集計で、この値は一度も動いていません。
ただし正直にお伝えすると、この数字は1社の買取業者の掲載値だけから出しています。文字盤の種類(初期のギルト文字盤か、後期のマット文字盤か)やベゼルの状態も区別できていないため、「Ref.1675という型番全体のおおよその目安」として見てください。当サイトが継続して実測しているのは現時点のデータのみなので、「近年上がっている」「下がっている」といった時系列の断定はしません。
後継・現行のGMTと並べると見えること
Ref.1675の数字だけを見ても、高いのか安いのかは分かりません。そこで、同じ日に集計した後継モデル・現行モデルと並べてみました(すべて当サイト集計の買取相場の目安、2026年9月23日時点)。
| 型番 | 位置づけ | 集計に使えた業者数 | 買取の目安 |
|---|---|---|---|
| Ref.1675 | 初代GMTマスター(ヴィンテージ) | 1社 | 約280万〜310万円 |
| Ref.16710 | GMTマスターII(廃番・ブラック文字盤) | 3社 | 約138万〜177万円 |
| Ref.126710BLRO | 「ペプシ」(2026年4月に生産終了)オイスターブレス | 6社 | 約285万〜379万円 |
| Ref.126710BLRO | 「ペプシ」(2026年4月に生産終了)ジュビリーブレス | 6社 | 約314万〜379万円 |
| Ref.126710BLNR | 「バットマン」(現行・定価174万7,900円)オイスターブレス | 6社 | 約214万〜294万円 |
並べると、次の3つが読み取れます。
- Ref.1675は、現行のバットマンの上限(約294万円)とほぼ同じか、それより上の水準にある。 60年前の時計が、今正規店で売られているモデルと同じ土俵で評価されています。
- 後の世代のRef.16710(廃番)と比べると、Ref.1675はおよそ2倍の水準。 「古い廃番モデルならどれも高い」わけではなく、「初代」であることに価格がついていると考えられます。
- 2026年4月に生産終了した現行ペプシ(Ref.126710BLRO)の下限とほぼ重なる。 ペプシという同じ配色の中で、初代と最終世代が近い価格帯に並んでいる、というのは興味深い結果です。
一方で、Ref.1675だけは集計元が1社しかないため、他のモデルより数字のブレが大きい可能性があります。売買の判断は、必ず複数の窓口の見積もりで確かめてください。
初期と後期で何が違う?文字盤とリューズガードの見分け方
同じRef.1675でも、20年以上作られているので「どの時期の個体か」で見た目も評価も変わります。当サイトの仕様メモで裏取りできた範囲では、見分けるポイントは次の通りです。
| 見る場所 | 初期(1950年代末〜1960年代中頃) | 後期(1960年代後半〜1980年頃) |
|---|---|---|
| 文字盤の質感 | ギルト文字盤(金色の印字・艶のある黒) | マット文字盤(白い印字・艶のない黒) |
| インデックス | フチなし(夜光塗料を直接塗った丸や四角) | フチあり(金属の枠付き) |
| 珍しい個体 | 前モデルの意匠を残したミラーダイヤル・ミニ針 | 黒文字盤が茶色に退色したトロピカルダイヤル |
ヴィンテージ市場では、一般に初期のフチなしインデックスの人気が高いとされています。また、初期はリューズガードの先端が尖った形(通称PCG)の個体があるとされ、これも初期個体の目印として語られることが多いポイントです。
ただ、当サイトの相場データはまだ初期・後期を区別できていないため、「初期はいくら高い」という実測の差をお見せすることはできません。店頭で見比べる機会があれば、この記事に追記していきます。
ペプシの退色は価値になるのか、ただの劣化か
Ref.1675の赤青ベゼルは、長年の紫外線で赤がピンクに、青が水色に近づいていく「退色(フェード)」が起こります。この退色が価値になるか減点になるかは、主に次の3点で分かれます。
- 色の抜け方が均一か:ベゼル全体がむらなく同じように淡くなっている個体は「味」として好まれやすい一方、一部だけ色が抜けている・まだらになっている個体は評価が割れます。
- インサート(数字の入った板)が当時のものか:修理の際に新しいインサートへ交換されている個体は、見た目がきれいでも「オリジナル性」という点で評価が下がることがあります。
- 欠け・へこみ・深い傷がないか:色の退色は個性でも、物理的な傷みは単純な劣化として扱われます。
つまり「色が薄いから価値が上がる」「色が濃いから安い」という単純な話ではなく、「自然に年を重ねた、手の入っていない状態か」が問われています。退色の度合いを数字で比べたデータはうちには無いので、気になる個体は複数の専門店で実物を見てもらってください。
アクリル風防のRef.1675を毎日使えるのか
Ref.1675の風防はアクリル(プラスチック)です。現行モデルのサファイアクリスタルと比べると、日常使いでは次のような違いがあります。
| 項目 | アクリル風防(Ref.1675) | サファイアクリスタル(現行) |
|---|---|---|
| 傷のつきやすさ | 細かい擦り傷がつきやすい | 傷がつきにくい |
| 浅い傷の直し方 | 表面を磨けば目立たなくできることが多い | 磨き直しはしにくい |
| 割れ方 | 強くぶつけると欠け・ひびが入る | 強い衝撃で割れることがある |
| 見た目 | 表面がふっくら盛り上がった柔らかい印象 | 平らでシャープな印象 |
「傷がつきやすいけれど、浅い傷なら磨いて戻せる」のがアクリル風防の性格です。毎日着けること自体はできますが、ぶつけやすい作業のときは外す、定期的に時計店で状態を見てもらう、という前提で付き合うのが現実的です。
防水についても、40年以上前の時計が当時の性能をそのまま保っているとは考えないほうが安全です。パッキン(すき間をふさぐゴム部品)の交換と防水検査を受けるまでは、手洗いや雨の日でも水に近づけないのが無難です。同じくアクリル風防を持つデイトジャスト Ref.1601の記事でも、普段使いの注意点を詳しく紹介しています。
リダン(再塗装)文字盤をどう見抜くか
リダンとは、傷んだ文字盤を後から塗り直したものです。オリジナルの文字盤かどうかで評価が大きく変わるため、Ref.1675を探すときに最も気をつけたいポイントの一つです。完全に見抜くのは専門家でも難しいですが、自分でも確認できる入口は次の通りです。
- 年代に対して文字盤だけが新しすぎないか:ケースやベゼルは年相応に使い込まれているのに、文字盤だけが真新しい黒・くっきりした印字になっている個体は注意が必要です。
- 夜光の色が針とそろっているか:経年で夜光塗料はクリーム色や茶色に変わります。文字盤のインデックスと針の夜光の色があまりに違う場合、どちらかが後から手を加えられている可能性があります。
- 印字の太さ・にじみ・位置:ロゴや文字の線が太すぎる、にじんでいる、中心からずれている、といった違和感は、塗り直しで起こりやすい特徴です。
- 文字盤の時代区分と合っているか:初期ならギルト、後期ならマットというように、その個体の製造時期と文字盤の種類が合っているかも確認のポイントです。
どれか1つに当てはまったからといって、即リダンと決まるわけではありません。気になる点があれば、購入前に販売店へ「オリジナル文字盤か」を必ず質問し、説明に納得できない個体は見送るのが安全です。
【持っている人へ】ご家族から譲り受けた・古いGMTマスターをお持ちの場合
「実家に古いロレックスがある」というご家庭で、GMTマスターのRef.1675が眠っているケースは珍しくありません。ベゼルの色や文字盤の状態、付属品(保証書・箱)の有無によって評価は大きく変わるため、複数の買取窓口で見積りを比較してから判断することをおすすめします。
売る・残すを決める前に確認したいこと
実家から出てきた1本を前に、すぐに「売る」「残す」を決める必要はありません。まずは次のことを確認しておくと、どちらを選んでも後悔しにくくなります。
| 確認すること | なぜ大事か |
|---|---|
| 保証書(ギャランティ)・箱の有無 | 付属品がそろっていると、来歴がはっきりしている個体として見られやすい |
| 文字盤・ベゼル・針が当時のままか | 交換されている部品があると、オリジナル性の評価が変わる |
| 最後にいつ修理・点検に出したか | 動かない・止まる場合でも、そのまま査定に出してよいかの判断材料になる |
| 家族の思い入れ | 相場は後からでも調べられるが、手放した時計は戻らない |
ヴィンテージの場合、査定前に自己判断で磨いたり、部品を新しくしたりすると、かえって評価が下がることがあります。気になる汚れがあっても、そのままの状態で複数の窓口に見てもらうのが基本です。当サイトは買取や査定は行っていないため、ここで紹介している数字はあくまで第三者の相場データとして参考にしてください。
【探している人へ】中古で選ぶときに必ず見ておきたい3点
- ベゼルの状態:退色が「味」として評価される一方、欠けや変形は別問題です。実物で確認しましょう。
- 文字盤のリダン(再塗装):オリジナルの文字盤かどうかで評価が大きく変わります。上で紹介した見分けの入口をもとに、夜光の色や印字の違和感を確かめ、販売店にもオリジナルかどうかを必ず質問しましょう。
- 社外パーツの有無:風防・リューズ・ブレスレットが後年の社外品に交換されていないか、信頼できる店舗で確認することをおすすめします。
後継モデルのRef.16750は、日付をすぐに送れる機能が付いた世代です。「ヴィンテージの雰囲気は欲しいけれど、日付の操作は楽なほうがいい」という人は、GMTマスター Ref.16750の記事もあわせて読んでみてください。
👉 【廃番モデル図鑑】GMTマスター Ref.16750——日付が一瞬で送れる世代ロレックス GMTマスター 16750とは|前期・後期文字盤の見分け方と1675との違い
👉 現行モデルのリセールバリューランキングはこちらロレックス リセールバリューランキング【2026年9月最新版】全モデルの定価超え・定価割れよくある質問
Q. Ref.1675と現行のGMTマスターII、どちらが高いですか? A. 当サイトの2026年9月23日時点の集計では、Ref.1675の買取の目安(約280万〜310万円)は、現行バットマン(Ref.126710BLNR・オイスターブレス)の約214万〜294万円と同じか、それより上の水準でした。ただしRef.1675は集計元が1社のみで、個体差も大きいため、あくまで目安です。
Q. Ref.1675はサファイア風防のものもありますか? A. Ref.1675は全製造期間を通じてアクリル風防です。サファイアクリスタルが使われるのは、もっと後の世代からです。サファイア風防のRef.1675を見かけた場合は、後から交換されている可能性があります。
Q. ベゼルが黒1色のRef.1675もありますか? A. あります。赤青の「ペプシ」が有名ですが、黒1色のベゼルを採用した個体も存在します。
Q. 動かなくなったRef.1675でも売れますか? A. 動かない状態でも査定の対象になることは一般的にあります。ただし修理の要否や費用によって評価が変わるため、自己判断で修理に出す前に、そのままの状態で複数の窓口に相談するのがおすすめです。
まとめ
- Ref.1675は、24時間針と回転ベゼルで2つ目の時刻を読む、GMTマスターの原型。ケース径40mm・アクリル風防で、現行機とは時差の合わせ方が違う。
- 当サイトの集計では、買取の目安は約280万〜310万円(2026年9月23日時点・1社のみ)。現行バットマンと同じか上の水準で、後の世代のRef.16710のおよそ2倍。
- 評価を分けるのは、退色の自然さ・文字盤がオリジナルか・部品が当時のままか。売るにしても探すにしても、複数の店で実物を見てもらうのが第一歩。
次の一歩として、まずは手元の個体(または気になる個体)の付属品と文字盤の状態を確認し、複数の窓口で見積もりを取ってみてください。
現行GMT-Master II(Ref.126710BLNR)の実際の買取相場はこちらで確認できます。
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